10月の風の便り

暑かった夏からようやく秋の気配が漂ってきています。

今年もあと3カ月足らずとなりましたが、10月はセミナーで全国を縦断する形で移動中に車中から見る景色を楽しむようにしています。

9月を振り返ると、9月8日の東京オリンピック招致決定で、久しぶりに日本中に明るい雰囲気が漂ってきたように思います。

9月16日の敬老の日の報道では、高齢者の割合が25%を突破したとのことです。まさに異次元の人口構造に突入しており、超高齢社会における国家運営は世界中が注目するところとなっています。こういう話をしますと、どうしても、社会保障制度の行方や国家財政にばかり目が行きがちです。少し視点を変えてみましょう。

例えばライフプランでは、大切なテーマは「お金」,「生きがい」と「健康」であると言われていますが、高齢社会においても同様の視点が必要です。高齢者の方の幸せの指標は「年金(=お金)」だけではありません。高齢者が「生きがい」を感じられる社会づくりこそ重要だと思います。「生きがいづくり」は「健康面」にも大きく影響しますし、増加の一途をたどっている「認知症」対策の一助となるのではと思います。「生きがい」には「誰かの役に立つこと」、「待っていてくれる人がいること」などが密接にかかわっていきます。

ある日突然仕事を引退してしまうのも、「生きがいづくり」の面から考えると問題が多いと思います。今後、さらなる高齢社会に進む中で、50歳ぐらいから一人一人が自分の人生と向き合い、自立意識を醸成することがとても重要になると思います。

さて、話は変わりますが10月は我々の生活の転換期でもあります。まず、2014年度からの消費税の8%への増税が最終決定されたようです。また、10月より円安の影響で小麦や食用油などの生活必需品が続々と値上げされます。一方で、年金の給付水準の引き下げが10月分より始まり、3年間で2.5%。厚生年金の標準世帯で約7万円の給付減額となります。老後設計がさらに厳しい時代になります。円安で物価が上がり、社会保障の脆弱化で年金は減る時代です。

我々日本人の老後設計においては、「国が何をしてくれるか、会社が何をしてくれるのかではなく、自分がどうありたいのかを考える」ことが大切な時代になったと思います。

 

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