2月の風の便り(日米の教育費について)

いつもお世話になりありがとうございます。いよいよ2月になりました。春もあと少しですね。春といえば進学・就職シーズンです。そこで今月は1月30日の日経新聞の朝刊記事から、教育費について考えてみたいと思います。

 親が授業料を全額負担する大学生は日本73%、米国29%(クレジット大手Visaの調査2012年)で、日米で対照的な結果に。文部科学省によると、米国の学生支援総額は17兆2千億円(09年度)に上るのに対し、日本は1兆1400億円(10年度)。米国では奨学金の45%が給付型に対し、日本は4%未満。資金の供給元も、連邦政府70%、大学16%、民間8%、州4%と多様な米国に比べ日本は国が87%。奨学金の質も量も全く異なる。(中略)奨学金が手薄な日本では、私立大の収入は主に親に頼るケースが多いと思います。しかし、日本経済の低迷で親の収入は伸び悩み。奨学金を利用するケースが増えているようす。                                                                                                                                               一方で、国にばかり頼っていられないと、独自の学生支援を始める大学が増えてきているようです。東洋大学では夜間部学生を対象に、奨学金と学内事務の非常勤嘱託で年収約200万円を保証する推薦入試を始めたそうです。実践女子大は東日本大震災の被災者を学内事務に雇用する。経済的理由で地元を離れられない地方出身者に限定した奨学金を支給、慶応義塾大、早稲田大、立教大、中央大などでも同様のケースが相次いでいます。早稲田大は、大学院生に報酬を払い学部生を指導させる米国流の「教育補助(TA)制度」を導入。時給は最高3500円、年収40万円以上になるとのこと。(以上日経新聞朝刊より抜粋)

学生に限らず「成人・自立」の定義が日本と諸外国では異なりますので、どちらが正しいとも言えません。「18歳を過ぎたら自立が当然」の欧米に対し、「学生までは親の責任」と決め込む多くの日本家庭というのが現状ではないでしょうか。

私が21歳の時、欧州一人旅をしました。当時の話ですが、イタリアのローマ駅前に多くの若者が地べたに座って、議論していました。片手にはcoke。喫茶店はありますがが年配の方が多く、若者の姿はまばら。イタリア人の友人に「なぜ、若者は喫茶店でなく駅周辺の地べたに座っているのか?」尋ねると、「彼らは学生だから、あまりお金がない。学生は貧乏なのはあたりまえ。18歳を過ぎると実家から出て、自立し、学費は奨学金で賄っている学生が多い。」という話を聞いて、日本との考え方の差を感じたのが20年以上前の話。

日本も低成長時代に入り、大学での費用を親に依存するといったライフスタイルから、そろそろ脱却する時期ではないかと思います。18歳を過ぎたら早めに家族からの自立を促す。若い頃に苦学することが人間的成長を促すこともあるはず。家計において教育費の負担が軽減されると、日本人のライフプランも大きく変わることになるのではと思うのです。常識を疑って、考えてみることもこれからの時代には必要ではないでしょうか。

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