- アジア人初の「レッドブルレース」チャンピオン!
また一人の勇敢な日本男子が登場した。彼の名は守屋義秀43歳。
ニュースでご存知だと思いますが、彼はプロの競技パイロット。
時速350キロを越える3次元のモータースポーツで「空のF1」とも称されるレッドブル・エアレースの千葉大会の本戦が6月5日、千葉市の幕張海浜公園の特別コースで行われ、日本人パイロットとして、ただ一人シリーズにフル参戦している室屋義秀(43、Falken)が、2009年に参戦以来、悲願の初優勝を果たしました。
守屋氏43歳とは、どんな人物なのか彼の公式HPの内容を紹介したいと思います。
■これまでの競技人生
室屋義秀の飛行士としての歩みは決して順風なものではありませんでした。資金も実績もなく、スタートはたった一人から。機体購入は全額借入でまかない、スポンサー回りの生活から始まりました。
やがて資金が枯渇し、練習する燃料費も出ないほどに追い込まれることに。実績もないため、国内でのエアショーのオファーもほぼゼロ。窮地に陥り、出した答えが、無償でエアショーを行うという作戦でした。なんとか燃料代を確保し、フォミュラーカーの会場で曲技を披露したのが2002年。そうして実績を作り出したことが功を奏し、徐々にエアショーのオファーが増えてきました。
2003年には米国フロリダで行われた世界曲技飛行選手権に参戦。しかし、結果は惨敗。
世界の壁の高さを痛感し、一時、室屋義秀は曲技飛行を辞めようとまで考えたのです。実力は世界レベルだとしても、表彰台はいつも雲の彼方。そんな苦しみの中、無冠のパイロットとしての活動が長きにわたって続くのです。
しかし、地道な努力は功を奏し、2008年、アジア人初のレッドブル・エアレース・パイロットに抜擢され、翌年2009年には6位入賞。2013年には、ついに世界曲技飛行選手権フリースタイルで6位入賞。さらに、2014年には、レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップで初の表彰台を獲得(3位)。これにより名実とともに室屋義秀は世界のトップパイロットとして認められることとなったのです。
■室屋義秀が目指すゴールは「操縦技術世界一」
曲技飛行世界最高峰の大会であるWAC世界曲技飛行選手権、FAIワールドグランプリ・オートボルテージュなどの国際大会に数多く参戦しノウハウを蓄積してきました。
2009年にはレッドブル・エアレースにも初のアジア人パイロットとして参戦、同年6位入賞。2013年の世界選手権フリースタイル部門では6位入賞。2014年にはレッドブル・エアレースで、自身初の3位表彰台も経験しました。
2015年の目標はズバリ世界一、そう表彰台の最も高いところを狙います。このように室屋義秀は世界の大空で、各国のトップ選手たちと“操縦技術世界一”の座を追い続けています
■室屋義秀の描くもう一つの大きな夢
それはチャレンジ精神を育む環境づくりです。環境による不利を、航空スポーツでは痛いほど経験してきました。
特に子供たちの未来に向けた長期ビジョンを描いて活動を展開しています。
2003年からNPOふくしま飛行協会の理事として、スカイスポーツを通じた地域づくり活動を精力的に展開し、ふくしまスカイパークを中心に、地域振興や観光資源としてのスカイスポーツが持つ魅力を広めてきました。
2009年から開催されている全日本曲技飛行競技会にも全面協力。これまでに得た知識とノウハウを国内にフィードバックして、国内競技環境の整備や選手育成の支援も行っています。 2012年、福島県の「あったかふくしま観光交流大使」に就任。震災後の福島の風評被害を払拭し、子どもたちの未来をサポートするプロジェクトに参画しています。
■室屋義秀のマインド
「少水常流如穿石」(しょうすいのつねにながれて いしをうがつがごとし)という禅語があります。これは、「雨水のようなわずかな水でも絶え間なくぽたぽたと落ち続けていれば、石に穴を開ける」という意味を表しています。これと同じように室屋は、努力を続ける、日々わずかながらでも向上することができれば、必ず物事を成し遂げることができると考えています。似た考えに「1.01の法則」というものがあります。1.01×365日、そう、1日の1%である15分の向上を積み重ねることで、1年後は大きなチカラになる。室屋の武器は、このような日々の努力。この武器で、世界の頂点を目指しているのです。
また、室屋は「求道者」としてのスタンスを忘れません。辞書によれば「求道者」とは、「真理や悟りを求めて修行すること」と説明されています。曲技飛行では1度の姿勢のズレ、エアレースではコンマ01秒の差で勝敗を決します。室屋は、その差を埋めるべく、日々飛行技術の追求を行っています。この自己探求への挑戦は、ともすれば、その世界観を周囲と共有することができず、エゴイスティックな行為として捉えられがちです。しかし、自己の可能性を極限まで高め、不可能を可能にすることができれば、新たな世界(真理や悟り)が見えてくる。そして、多くの人と、挑戦する勇気を持つことへの価値を分ち合いたいと考えているのです。
いかがでしょうか?室屋氏の1%の努力の可能性は別の表現だとこうなります。
毎日1%の努力が相乗効果を生めば、1.01の365乗で複利計算すると1の可能性は37.8倍になります。逆に1%サボれば、0.99の365乗は1の可能性が0.03になってしまうのです。
日々の僅かな違いは、時と共にとてつもない違いにつながるということです。
あと一歩の日々の地道な努力を忘れないようにしたいと思います。
今後の室屋さんのチャレンジにエールを送りたいと思います!
プロフィール
室屋義秀(1973年1月27日生)日本のプロパイロット。福島県福島市在住。2002年に活動を開始した競技志向型(エアロバティックス)エアショーチームのメインパイロット。2009年にはレッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップにアジア人で初めて参加した。幼少時代、『機動戦士ガンダム』の主人公アムロ・レイに憧れ、パイロットを目指す。中央大学入学後、航空部に所属し、グライダーで飛行訓練を開始。
1993年、20歳で渡米し飛行機のライセンスを取得。1995年に兵庫県但馬空港で行われたブライトリング・ワールドカップで帝王ユルギス・カイリスやパトリック・パリスなどの世界最高峰の飛行技術を目の当たりにし、本格的なエアロバティックスの訓練を開始する。
1997年、再び渡米し、ランディ・ガニエのもと訓練を積む。その後、自身初の競技会にも臨み、アドバンスクラス世界選手権では日本代表にも選ばれる。翌1998年、日本でエアショー活動開始。
2002年には現在活動中のエアショーチーム「Team deepblues(現在のTeam Yoshi MUROYA)」を立ち上げ、翌2003年にはアンリミテッドクラス世界選手権にも出場。同年、NPO法人ふくしま飛行協会を設立。理事の一人として、国内のホームベースでもあるふくしまスカイパークで、青少年の健全育成のための教育活動や航空文化の啓蒙活動にあたる。この年、後にレッドブル・エアレースでもチームコーディネーターとして共に闘うことになる盟友ロバート・フライとフォーメーションでエアショーを開始。
- ミレニアム世代が世界を変える?(2)
今回も前回に続き、ミレニアムズ(米国の若者)のレポートを取り上げたいと思います。
■社会貢献が人生の目標
フォーブス誌に2015年に掲載された、ミレニアルズ(「ミレニアルズ」とは、「1000年間の」という意味を持つ「ミレニアル」を語源とする造語。1980~90年代に生まれ、2000年以降に成人となった、現在の20~35歳くらいの米国の若者のことを指す)が働きたい会社トップ10を見ると、興味深い傾向がわかる。
10位 Children’s Health Care Of Atlanta
9位 Health Care Service Corp
8位 CIA
7位 Microsoft
6位 Local Hospital
5位 FBI
4位 APPLE
3位 Sr. Jude Children’s Research Hospital
2位 Walt Disney Company
1位 Google
1位グーグル、2位ウォルト・ディズニー、4位アップル、7位マイクロソフト、この4つは当然にしても、注目して欲しいのは3位の聖ジュード小児病院(St. Jude Children’s Research Hospital)。ここが重病の子供を無償で診療する大病院。これを筆頭にトップ10のうち4つが病院などのヘルスケア関連。理由として考えられるのは、64%のミレニアルズが「世界をよりよい場所にするために働く」のが第1目的と答えていること(「Intelligence Group」調査)。
そんな中でミレニアルズが注目しているのはノンプロフィット・オーガニゼーション(NPO:非営利団体)。米国のNPOは製造業、小売業に続き全米3位の巨大な産業で、職種も多岐にわたっていますちなみに上記にランクインしている2つの小児病院はNPOのジャンルに入る)。
■背景にあるもの
彼らのには「アメリカンドリームは失われ、一生懸命働いたからといって金持ちになれるとは限らない」という考えがある。「だったら、給料は安くてもいいから社会の、人のためになる仕事をしたい」。これが仕事を選ぶ基準は「人生における使命感」という考え方に繋がっているのかもしれない。(もちろん、就職難で比較的入りやすいNPOを選ぶ人がいるのも、またひとつのサバイバルの形。)
NPOは、米国の資本主義経済の中でとり残されがちな部分をカバーすることが大きなミッションとなっており、格差が拡大する今、その役割はますます大きくなっていくと思われる。
■ もともとボランティア志向が強いミレニアルズ
米国の国勢調査を分析したデータによれば、2014年には30歳以下の若者の20%がボランティアをしたと答え、1989年の13%から大きく伸びました。しかもこの数字はまだ伸びると予測されている。
米国はもともと、キリスト教の理念に基づくチャリティやボランティア志向が強い人が多い国でもあるが、ミレニアルズの世代には学校単位のボランティアが普通になり、ボランティアをすることで授業の単位がもらえるなど、まさに生活の中に溶け込んでいる。
■ ベネフィット・コーポレーションの台頭
ミレニアルズの起業家志向と、社会貢献意識が結びついて注目されている「ベネフィット・コーポレーション」。
これはNPOではなく、利益を追求する株式会社でありながら、会社の定款に「社会貢献」を掲げ、利益の一部をチャリティーや地球環境を守るノンプロフィットなどに寄付することをうたっている。
こうしてミレニアルズの社会、職業意識を見てくると、決して将来に対して悲観的にならず、たくましくサバイバルするミレニアルズの素顔が浮かび上がってきている。
ピュー研究所のデータでは、ミレニアルズの過半数(51%)は、自分が引退した時に、自分の親世代が持っているレベルの連邦政府の年金はもらえないだろうと考えている。(この点は、日本の若者の近いかもしれない。)
一方、「政府はもっと社会的なプログラムに力を入れるべきだ」と考える人が過半数(53%)いて、これはジェネレーションX(35歳から50歳まで)の36%、ベビーブーマー(51歳から70歳まで)の28%に比べるとダントツに高くなっている。
アメリカンドリームの未来が危ぶまれている今、サバイバルするミレニアルズによって、米国社会や価値観も変わろうとしている。
(以上)
いかがだろうか?ドラッカーも生前は「21世紀はNPOまたはNGOの時代になる」と予言していたことは有名。
「成果を上げ、自分が成功すればいい。」という考えが、必ずしも正しいといえない時代になってきている。
旧来の成功哲学も新しい概念のものが求められ始めている。
我々は、価値観の大転換の時代に生きているのかもしれない。
- ミレニアムズが世界を変える?
あなたの会社には社内起業支援制度はあるだろうか?
まずは米国の記事を読んでほしい。
■セルフ・スターターのミレニアルズを取りこめ
起業家魂を持った人を「セルフ・スターター」と呼ぶそうだが、そうした優秀な人材を求める企業が着目したのが「社内起業家」。
若く優秀な人材を社内の重要なプロジェクトのリーダーに抜擢し、自由に采配を振るわせる。このやり方は特に同世代、ミレニアルズ(「ミレニアルズ」とは、「1000年間の」という意味を持つ「ミレニアル」を語源とする造語。1980~90年代に生まれ、2000年以降に成人となった、現在の20~35歳くらいの米国の若者のことを指す)に対するマーケティングや商品開発に取り入れられ今脚光を浴びている。
独立志向、起業志向でリーダーシップを持つミレニアルズに、企業の中で活躍してもらおうという試み。逆に言えば伝統的なトップダウンの企業体質に合わないミレニアルズが増えたため、彼らをなんとかして取り込もうという対応策でもある。
もともとはアップルやマイクロソフトなどのハイテク企業から生まれてきたが、最近は伝統的な製造業にも及び、つい最近はラム酒で知られるバカルディが社内起業家制度を発表して話題になった。
■ワーク・ライフ・バランスからワーク・ライフ・インテグレーションへ
少し前まで社員が会社に求めるのは、仕事とプライベートをはっきり分ける「ワーク・ライフ・バランス」だった(日本では今もよくつかわれている)。9時から5時までの仕事が終われば、まっすぐ家に帰って家族で食事し、仕事を全く忘れてプライベートな時間を楽しむ。これは伝統的な米国人のライフスタイルであり、アメリカンドリームの象徴でもあった。
ところがそれが急速に変化しつつあるという。
Intelligence Group社の調査によれば、ミレニアルズの88%が「ワーク・ライフ・インテグレーション(融合)」を志向しているという。
これは「仕事と生活を分けるのではなく、どうやって融合させていくのか?」 ということに興味を持っているというだそうだ。
この背景にあるのはテクノロジーの発達。例えばスマホの普及で就業時間後、家に帰った後も休日であすらメールを携帯でチェックする事が多くなっている。これは我々も同じ。
CBSテレビなどの調べでは「就業時間外でも仕事メールのチェックは当たり前」と答えた米国人は55%で過半数を超え、これが30歳以下のミレニアルズになると7割に跳ね上がったという。
テレコミュート(在宅勤務)も大きな要素。テレワーク・リサーチ・ネットワークの調べでは実に3000万人が1週間に1度は在宅勤務している。この様なパターンは今後5年間に1.5倍以上に増えると予測されているという。特に小さな子供がいる母親にはフルタイムのテレコミュートを認める企業も多く、女性の継続雇用に大きな力になっており、フリーランスの増加も、自宅勤務の人が増える原因になっている。
テレコミュート以外に、企業によっては社員にカフェなどでの勤務を認めたり、グーグルのように子供たちと一緒に社員食堂でランチをとってOKだったり、アディダスのように社員のライフスタイルに合わせた仕事のスケジュールの相談に乗ってくれる企業も登場しているという。
本人にあったスケジュールで仕事をした方が、会社としても業務の効率が上がり、いい人材を得ることができるという考え方が浸透しつつある。家族と一緒の時間や家事、それ以外の自由時間と、仕事の時間をどうバランス良く組み合わせていくかというワーク・ライフ・インテグレーションは不可欠になっていくだろう。
(以上)
アメリカは一歩先を行っている気もするが、私も独立して、カフェで仕事をすることが増えた一人。恐らくクリエータと呼ばれる職業の人やフリーランスの方たちだと思うが、異なる職業の人がカフェの大テーブルを介していい緊張感を醸し出している。集中力を維持するにはもってこいだ。
これからの時代は、フレキシブル・ワーキングの時代と言えそうだ。
- 深刻な奨学金問題。17万人が滞納。
かつて私もお世話になった奨学金制度。
なんと17万人が滞納状態という。一体どういうことが起こっているのか?
学生時代に借りた資金の返済が、卒業後も長期間、重くのしかかって生活を圧迫していく。そんな奨学金制度の在り方が広く社会で問われるようになってきた。学ぶための資金が、なぜこんな問題を引き起こすのか。
■ある利用者のケース
大学卒業生の女性が、ある日突然、裁判所から通知が届き「300万円の一括返済」を迫られた。
彼女は30歳だそうです。アパートで1人暮らしを続けている。最初に通知があったのは、2013年2月だったという。
学生時代に独立行政法人日本学生支援機構(支援機構)から借りた総額316万円の奨学金。「毎月1万6000円の返済を20年間続ける」という約束が果たせなくなって返済が滞り、とうとう支援機構側が裁判所を通じて一括返済を申し立てたのだという。
この女性、2003年春、東京の私立大学に入ったものの、家庭の事情で、授業料が未納になり、実家からの援助も途絶え、学生課とも相談し、まず、支援機構の利子付き奨学金(第2種奨学金)を毎月10万円借りることに。
しかし、それでも未納の授業料や生活費をカバーしきれず、昼間は学校に行き、夕方からは飲食店でアルバイト。仕事は朝5時まで続き、少し仮眠してまた大学へ行く。1年間休学もして進級に必要な学費を貯めたという。
・・・しかし結局、彼女は学業と学費・生活費稼ぎは両立しなかったという。
休学後にキャンパスへ戻ってくると、「なんで自分だけお金に苦労しているのか。ならば、その元を切ってしまえばいい」と脱力感から、自ら大学を自主退学。その時点で支援機構からの奨学金は316万円。「高卒」のままでありながら、返済負担だけが残った。
この30年間、日本では世帯収入が伸び悩む一方、学費は上昇を続けてきた。社会全体の貧困化も進み、若者の生活環境を直撃。親元を離れ、「親の援助」によって学生生活をまっとうできる若者は、限られた存在になりつつある。
■毎年半数以上、100万人以上の若者が奨学金を利用
日本最大の奨学金実施主体である「支援機構」のデータによると、2015年度(平成27年度)の奨学金利用者は、全国で約134万人に上った。10年前の3割増、人数で言えば35万人も増えている。
一方「延滞者」も増加。貸与奨学金は社会人になってから返済の義務が生じるが、支援機構のデータによると、3カ月以上の延滞者は実に約17万人にもなる。奨学金の返済に追われている若者も少なくない。それにしても、なぜ裁判所で支援機構と向き合うような事態が起きるのだろうか。実は支援機構は延滞者に対し、貸し金の返還を求め、滞納者には督促を行う。督促しても返済がなければ、裁判所を通じて返済を求める。このプロセスは、通常の貸金業務と何ら変わらない。
■奨学金利用者がブラックリストに?
延滞を続けた結果、信用情報機関との情報共有、つまり「ブラックリスト」への登録となる。そうなると、借りた側はクレジットカードなどの利用が難しくなり、生活設計が大きく狂ってしまう。
「少しでも学びたい」「親に頼らず、卒業したい」という思いを抱え、20歳前後で「奨学金」に頼った人たちが後年、貸金訴訟の被告になってしまう。しかも、そのリスクは奨学金を借りるとき、ほとんど認識されていない点は大いに問題だ。
■もともと制度に問題があり
貸与奨学金は、本来信用のない10代の若者に学費とはいえ何百万円の借金を無審査で貸し出す制度。申請段階では、どこの大学に行くかも、(将来の)職業もわからない。
だから入り口は奨学金の性格。ところが出口の返済になると、金融機関の論理がむき出し。返済しなかったら遅延損害金、払わなかったら裁判、親から取り立て。まさに金融の論理。
また、奨学金の財源の割が返還金で占められており、返済がないと財源はあっという間にゼロになる制度。これは社会保障制度とは程遠い制度といえる。
■世界の常識は?
経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国のうち、大学の授業料が無償の国は17カ国を数えるという。さらに「給付型奨学金」をみると、国としての制度が存在しないのは日本とアイスランドの2カ国しかない。アイスランドは授業料が無償だから、「授業料有償+給付型奨学金なし」は日本だけ。この分野では先進国でないことは明らか。
■日本の奨学金制度が人生設計を狂わせている
もし、結婚を考えている男女が両方奨学金返済に苦慮しているような状況だったら、二人は果たして結婚に踏み切れるだろうか?
非正規雇用だったらどうだろう?ましてや、子供設けようと思えるだろうか?
少子化が社会問題となっている、晩婚化の解消を訴える政治家もいる。しかし、奨学金制度の仕組みを変えることも、これらの問題を解決する一つの方法ではないだろうか?
■もっと深刻な米国の事情
実は、米国の方が深刻で、平均2000万円を抱えて大学または大学院を卒業するという。いい職につけなければあっという間に自己破産するという。米国で2008年のサブプライムローンの経済危機の次の経済問題はこれだと指摘する人もいるという。
私は、どうも高学歴化が国に活力を与えているとは思えない。日本は資源に乏しいため「人が財産の国」。であれば教育には国がもっと投資すべき。そうすることで、社会人がマイナスからスタートするなどという人生設計はなくなるはず。
晩婚化が進み結婚しない適齢期の人々の増加は、奨学金の返済も原因の一つであることは間違いない。
- 彼を救えるのは家族しかいない
今年は年明けからショッキングなニュースが多い。
スマップ独立騒動、ベッキー休業そして清原逮捕。
中でも、スポーツ界に激震が入ったのが元スパースター清原氏の逮捕だ。
麻薬使用は米国では逮捕にならないのかもしれないが、麻薬は日本では禁止されている。同情するつもりはないが、この事件から様々な人生のヒントを得ることが出来ると思う。
■清原氏の数奇な人生
10代からスタートしての人生を送ってきた人物の気持ちになることはできないが、特別な心理状態であることは間違いない。
特に清原氏はプロになるときのドラフトでの裏切られた時から、人生の歯車が狂っていたのかもしれない。結局、周りは彼の才能やスター性を利用しようと動くが、本当の信頼関係を築けないまま、選手生活を送っていたのではないか?スポットを浴び続けながら彼は何を信じればいいのかが見えなくなっていたのかもしれない。
迷路に迷い込んで、完全に出口を見失っていたに違いない。
結局、「彼にとっての唯一心の支えは、やはり家族ではなかったか?」。
離婚によって、愛する息子たちと会えなくなったことは、彼にとっての心の支えを失うことになり、完全なバランス崩壊につながったのであろう。
もちろん、麻薬については随分前から使用していたようなので、そこには同情の余地はないと思うが。
■トップアスリートの人生設計は難しい
スター選手の家族も特殊な事情があるだろうが、現役後半あるいは引退するとおかしくなるケースが少なくない。
これは個人的な意見だが、アスリートは選手生命が短く、引退後の人生の方が長い。できれば、引退の時にライフ・コーチのような方にサポートを仰ぐべきだと思う。
マザーテレサは生前、「人類の最大の病は【孤独】である」と述べていたというが、今回は痛切にまさに孤独の末路を感じた。
しかし、清原氏の人生はまだ終わったわけではない。
社会人として、一人の人間として命がけで社会復帰を果たしてほしい。
そして私人としての人生を全うすればいいと思う。
それが彼の人生の逆転満塁ホームランになるはずだ。
- SMAPの独立騒動に思う
日本でSMAPを知らない人はいない。そのSMAPが解散と報道されている。
SMAPの分裂危機をマスコミが報じた13日、所属先のジャニーズ事務所はメンバー4人が独立を検討していることを認め「協議・交渉がなされている」としたため、デマでなかったようだ。また、育ての親である女性マネジャー(58)主導のSMAP独立計画が失敗したことが判明。女性マネジャーは芸能界から身を引く意向を伝え、今後メンバー4人が事務所に戻ることになるか動向が注目されています。
グループで人気NO1の木村拓哉さん(43)だけが事務所に残ること。なぜ彼だけ残るのか。大手音楽出版の元プロデューサーに話によると、キムタクと4人の決定的差は人脈を持っているかどうかだという。
キムタクは交友範囲が広く今回のことで相談したりして情報も入ってくる。ジャニーズを離れたらどういう目に遭うかも分かっている。一方で自身が「友達がいない」と公言している中居さんを筆頭に、4人にそれほどの人脈は無いと思われる。
これはビジネスマンにも当てはまることで、40代以降になると日頃から外部ブレーンの存在の有無は時として決定的な差を生む。日頃は交友している程度でも長年にわたる信頼関係があれば有事には強力なアドバイザーになる。
「実力ある営業マンが独立して失敗した」など「独立の失敗話」は、世の中に多く存在する。実際に4年前に独立した私も独立を会社に相談した時は交渉に一年近く掛けるくらい、かなり慎重に事を進めた記憶がある。今回「独立の目的や理由」が何だったのか、そして交渉の進め方に無理はなかったのか?しばらく様子を見守りたいが、「すべての要素が万全でなかった」ことは明らかなように思う。
5人は2020年の東京パラリンピック大会の成功とパラスポーツの振興を目指す「日本財団パラリンピックサポートセンター」のサポーターに就任したばかりでもある。日本中が応援するイベントの職を自分たちのトラブルで棒に振るのは、メンバーだけでなく同事務所にとってもダメージになる。今回の事態を打開するのは、本人たちやジャニーズ事務所ではなくファンや世間の声かもしれない。それほど、彼らの存在は大きいはずだ。
- セルフマーケティング能力
今年は暖冬らしいのですが、寒いのは寒いですね。
さて、間もなく今年も終わり、新しい年を迎えます。
お陰様で弊社も来年で5期目を迎えることが出来ますことに感謝申し上げます。
今年最後の My Focus となりました。お読み頂きありがとうございます。
■企業の寿命は何年?
起業して会社が何年存続できるかご存知でしょうか?
国税庁の調査によれば日本の全法人数約255万社の内
なんと、設立5年で約85%の企業が廃業・倒産し、
10年以上存続出来る企業は6.3%、
20年続く会社は0.3%
さらに、30年続く会社は、0.025%
企業30年説はこういうデータの裏付けのもとに成立しているのだと分かります。
最近、ソフトバンクの孫社長も全社員の前で「会社を立ち上げて30年後に生存できる確率は0.03%で、生き残れていることはすごいことなんですよね・・・。」と述べていらっしゃいました。
別のデータも調べてみました。日本経済新聞が1996年に新設法人8万社の行方を調査しました。
当時の存続率は「1年後で60%、3年後で38%、5年後で15%、10年後が5%」と近い数字になっていますので、この数字に信憑性はあると言えるでしょう。
また全法人で、決算が黒字なのは30%しかなく、実に70%の企業が赤字だそうです。
上場企業で黒字は当然といった考えがあるかもしれませんが、その傘下の中小企業は必ずしも黒字ではないと思います。むしろ、親企業が黒字決算をするために、そのしわ寄せが下請けの中小企業に行っていることが、少なからずあることを私も知っています。
ですから、黒字決算の企業に勤めているから大丈夫ともいえないわけです。
世界中で競争が激しくなってきています。特に成熟産業はぎりぎりの勝負を求められており、「企業は安泰の時代」は終わったと言えるでしょう。
■これからの時代
コレカラの時代は、「個の力」が求められます。このことは、チーム競技のスポーツも同様です。この卓越した能力が無いと、サッカーの世界も、アメフトの世界もチームワークだけでは勝てない時代になっています。
「個」に求められる能力に「セルフ・マーケティング能力」があります。これは、自分の価値を最大化するために、どんな環境でどの分野で、何を売りにしていくかを考えることのできる能力を意味します。
「セルフ・マーケティング能力」は自分の価値を最大化するための自分の得意分野を考える際に必要です。「自分を差別化する」といった表現も出来ると思います。
「この組織の中で、自分の能力と価値を最大化する分野はなんだろう?」と考える際に必要です。
今後、専門分野は「ニッチ化」するでしょうから、方向性を間違うと命取りにもなりかねません。
これからはAI(人工知能)との競争も顕著になるでしょうから、しっかり自分を見極めて、何かで「とんがった存在」を確立していきたいものです。
- 就活戦線に疑問
皆さんは、自身の就職活動を覚えていますか?
大学3年も後半になると資料請求やOB訪問をしながら、4年の春からは会社説明会そして筆記試験や一次面接を受ける段階で履歴書を提出し、二次面接、三次面接で仮内定。
そして10月1日に正式内定で内定通知書を受け取り、残りの学生生活を締めくくるといったパターンだったのではないでしょうか?
しかし、このスタイルは日本独自で欧米にはありません。
欧米は採用は新卒、中途関係なくづ随時採用。大学での学士課程修了者には学士が授与されますが、学歴としては不十分で、大学院で修士号や専門職学位をとり、博士課程を修了し、論文が認定されれば博士号が授与されて、博士号があればある程度報酬の仕事に就けるといいます。
学費も高額で私学では4年間で2000万円、大学院までいけば3000万円を超えます。さらにアルバイトをしながら就活を行い。一年以内に就職できればラッキーなそうです。
就職できなければ、奨学金という名の借金が原因で自己破産も増えているのです。
それに比べれば、日本の学生は恵まれているように映ります。
現在の就活は3年の夏から冬にインターンシップがあり、12月から資料請求、3月に一斉にエントリーし、説明会などは来年は6月解禁で、4か月で就活を終え10月1日の内定を待つといったスケジュールで進みます。
私は日本の就活に疑問を感じています。
なぜ、同じ日程で同じルートで活動する必要があるのでしょうか?
採用する企業側の業務が楽だからでしょうか、いやむしろ就職業界が儲かるからではないでしょうか?
現在はエントリーをしなければ、就職活動の門が開かないといいます。
学生のマニュアルに沿った回答をして何がわかるのでしょうか?
SPIなど作為的に回答したものが役に立つのでしょうか?
私は出来れば、採用は随時募集に切り替え、新卒や中途の区別を撤廃すべきと思います。そして、世界中から募集すべきです。そうなると面接は英語だけでいいと思います。
「ここは日本だから」などつまらないことを言わないでくださいね。
私は日本の現在の微妙な空気感を払しょくするには、それくらいの荒治療が必要ではないかと思うのです。
毎年、就活のシーズンになると黒のリクルートスーツに身を包み、スマホを片手に就活する姿に違和感を覚えます。
スーツの色なんて,目立ったほうが若者らしくいいのではないでしょうか?
本当はマニュアルを気にしないで、自分らしさや個性を前面に出すように心がけるべきです。
真面目と無個性は意味が全く違います。
社会として、若者が若者らしく、生き生きと生きられる懐の深い社会を作ればもっと明るい国になるのではないでしょうか?
最近、様々な企業に仕事で伺いますが、生き生きとした社風の企業は少なくなったと思います。わかりやすく言えば「元気がない」のです。
世界競争時代を生き抜くためには、個性を重視し、画一的性重視の風土を捨て去る覚悟も必要だと思うのです。
最近、注目されている企業のダイバーシティー・マネジメントの目的は、ここにあると思います。
- 感動のラグビーW杯日本チーム!
今回のW杯で久し振りにラグビーを堪能した。
ラグビーのワールドカップ(W杯)イングランド大会は11日(日本時間12日)、英国西部のグロスターなどで1次リーグ最終戦が行われ、すでに敗退が決まったB組の日本は米国と対戦。28―18で勝ち、3勝1敗の勝ち点12で大会を終えた。
ボーナスポイントの差で1次リーグ突破はできなかったが、歴史的な3勝目を刻んだ。試合のマンオブザマッチに選ばれたのは、3本のペナルティキックと、トライ後コンバージョンを2本決めて13得点をマークした五郎丸選手(29)。前回のW杯では選考に漏れ、今回一気にスターダムに上った選手。
試合後、公式インタビューに呼ばれた五郎丸選手は、最初に、「ええ、このマン・オブ・ザ・マッチは本当にチームの……」とまで言うと、言葉に詰まった。鼻を押さえ、目は真っ赤。涙腺が崩壊して、もうそれ以上、言葉が出てこない。今大会中、常に冷静さだった男が号泣した。「これはチーム全員で取ったものだ」という五郎丸の気持ちだったのだろう。
今の感情言葉であらわして欲しい?と質問されると、「我々の目標は、ベスト8に入ることだった。満足はしてない」と言って再び絶句した。
その涙は、3勝したが、ボーナスポイントの差でベスト8進出を逃した悔しさであり、エディヘッドコーチの元で、苦しい練習と準備を乗り越え、チーム一体となって、世界で通用する「ジャパンウエイ」を体言できたことに対する、ひとつの達成感もあったのかもしれない。複雑な感情が入り混じったのだろう。
初戦で優勝候補の南アフリカを相手に世紀の番狂わせをやってのけたゲームでは、精神を集中させてペナルティを成功させ続けた五郎丸の独特のお祈りポーズがクローズアップされた。スコットランド戦では大会のベストタックルのひとつに選ばれるスーパータックルでトライを阻止もした。一次リーグの4試合で計58点は、堂々の得点ランキング2位。 その正確なキック力で、世界に、その名をとどろかせた。
日本は1次リーグ初戦で優勝候補の南アフリカを34―32で撃破。歴史的金星を挙げたが、中3日で臨んだスコットランド戦は10―45と惨敗。サモアには26―5で勝って同一大会初の2勝。この日の勝利で南ア、スコットランドに並ぶ3勝目を挙げたが、ボーナスポイントの差で涙を飲み、目標の8強入りは果たせなかった。
W杯で20チームが5チーム4組に分かれてプール戦(1次リーグ)を行う方式になった03年大会以降、3勝を挙げて準々決勝に進めなかったのは史上初めて。歴史に名を刻んだ日本フィフティーンには自国開催となる19年W杯へ確かな光が見えている。日本はベスト8進出を逃したが、プールの3位をキープしたことで2019年の自国開催のワールドカップの出場権を自力で得たことになる。
まずは、たくさんの感動をいただいた選手とスタッフの皆様へお礼を述べたい。
2019年の日本大会が楽しみになってきた。勢いを消さないためにも、同じスタッフで準備してほしいと思う。
- シニアの働き方について
今後、労働人口の減少が予想されている日本経済の活力維持のために女性活用以上に変化が起こりそうなのがシニアの活用だ。
9月に入りトヨタ自動車は工場で働く社員約4万人を対象に、新たな人事制度を2016年1月に導入することで労働組合と合意したと発表があった。これまでの現役世代と格差があった再雇用制度を刷新し、定年退職後も65歳まで現役時代と同水準の処遇を維持するという画期的な制度だ。
今後、トヨタ本体の従業員の約6割が対象となる。新しい人事制度では定年退職者の再雇用制度「スキルド・パートナー(SP)」を見直す。一定の条件を満たせば現役時代と同じ処遇で働き続けられるコースを設ける。産業界では再雇用時に報酬が下がることが多いが、職位手当などを従来通り払うことで処遇を維持する。これはシニア社員にとって朗報だ。
2014年に24%だったトヨタ社員の高年齢者(50~64歳)比率は2025年に35%へ高まる見通しで、「実質的な定年延長」に踏み切り、問題となる総人件費増は生産性向上などで吸収するという。
今後の日本企業は労働力不足による競争力低下が懸念されており、その対策としては女性活用、外国労働力の活用とシニアの活性化が主な方法といわれている。
今回、国内最大級の従業員を抱えるトヨタがシニア人材活性化に動くことは、大企業の生産現場の働き方改革に影響を与えることになるだろう。実際に、年金の受給開始年齢の高齢化に伴い定年後も働く人は増えおり60歳以上の常用労働者は2014年で260万人強とここ5年で約3割増えたという。た
一般的にシニア世代の働き方は大きく「①これまでの会社での継続雇用②他社への転職③独立起業」の3つの方法がある。この中で一番選びやすいのは①の継続雇用だろう。厚生労働省によると2014年6月時点で、過去1年に定年を迎えた人の8割超が継続雇用だった(60歳定年の場合)という。一方で労働政策研究・研修機構の調査によると、継続雇用後の年間給与は平均で定年到達時点の約7割に下がる。給与は下がるが仕事内容は「定年到達時点と同じ」が8割強を占めているという。
もちろん慣れた職場で収入を得られるのは魅力だが、モチベーションを維持することは意外に難しいようだ。現役時代は部下だった後輩世代からの指示にストレスを感じたり、責任範囲の縮小など仕事らしい仕事がないことに不満を持ったりする人は多い。
そういった意味で今回のトヨタの新人事制度は一つの打開策といえるが、女性の活用も欧米に遅れている課題だし、何よりもシニアの起業支援制度は実は企業の活性にもっともつながるのではないかと私は申し上げたい。近いうちに、シニア起業ブームが本格化する予感がしている。今後、機会があれば「シニア起業のススメ」について述べようと思う。