10月の風の便り
新卒の入社3年以内の離職率があいかわらず3割と高いようだ。
私の社会人になった30年前とは時代も変わりデジタル社会で情報のあふれた時代。
充分に豊富な情報から企業選びが出来るのになぜこれほど高いのだろうか?
厚生労働省の発表によると、大卒で就職後3年以内に離職した人の割合(離職率)が2014年3月の卒業者で32.2%となり前年から0.3ポイント上昇。「希望する仕事に就けなかった」ミスマッチによる離職は景気回復で減っているものの、人手不足を背景に転職しやすい環境になっており、やめても比較的仕事は見つかり易く、より良い仕事を求めて離職する人が増えているとみられる。
学歴別にみると大卒が32.2%に対し、高卒の離職率は40.8%、短大等卒は41.3%と大卒を大きく上回っている。
■親の責任は重い
「まあ、無理しなくていいから」、「メンタルやられる前に、やめた方がいい」、「ほかにも仕事はあるから」など無責任な発言は控えるべきだ。友達ならともかく、親がこういう発言をすると、本人は真に受けてしまう。
■大切なことはエンプロイアビリティー(雇用価値)
まず、社会人3年間でビジネスマナーや仕事の進め方、コミュニケーションスキルなどの基礎力を身に着ける必要がある。会社を転々としていては、これらの力は身につかない。せいぜい身につくのは、表面だけを取り繕う、「ごまかしのスキル」程度だろう。最初の職場で、みっちり基礎力を身につけさせていただこう。30歳を過ぎて、この基礎力が身についていないと、どんな能力があろうとも、まず通用しない。
■専門スキルについて
専門スキルは今後AIやロボットにかなり奪われるだろう。資格を取って通用するのはせいぜい3年から5年。専門資格を取れば安泰の時代は終わった。これからの時代、人間に求められるのは創造性。この創造性は、物事を表面だけで捉えていても、身につかない。相手の表情や、その場の空気、さらには日頃の生活のシーンの中にヒントが埋もれている。人がいかない場所や、誰もしようとしないうような事の中にこそ創造の宝石は眠っているはずだ。逆に、ネットで検索して出てくる情報は、ますます価値が低下する。
■2年間はやめるな
最終的に転職するにしても、せっかく縁があって入った会社だ。自分のキャリアにとってプラスにしないと時間の無駄。どんな環境であれ、学ぶことがない職場はない。2年間はとことん吸収してから、次の職場に移ればいい。大した実績もない若者を喜んで採用する企業があるとすれば、その会社は大した会社ではない。会社をむやみに転々とすることがないようにしたい。「どこでも最低2年は在籍して学ぶ」などのマイルールを設けておくことを勧めたい。
■最初の会社は大切に
特に、最初に選んだ会社は大切にしてほしい。会社が嫌いな人間になるか否かは、最初の会社の影響が大きいように思う。これは、結婚と同じで最初の会社で嫌な思いをするとその後アレルギーになってしまうので、そうならないように自分自身をちゃんとマネジメントしてほしい。人不足で空前の売り手市場だからこそ、ちやほやされて、勘違いしないようにしなければいけない。