11月の風の便り
男女平等ランキング、日本は過去最低111位
ダボス会議で知られる世界経済フォーラム(WEF)※は10月26日付で、各国の男女格差(ジェンダーギャップ)を比較した今年の報告書を発表しました。日本は世界144カ国中111位となり、主要7カ国(G7)で最下位です。前年の145カ国中101位から大きく順位を下げたといいます。
「ジェンダーギャップ」とは「経済活動への参加と機会」「政治への参加」「教育」「健康と生存率」の4分野の計14の項目で、男女平等の度合いを指数化したもので順位を決めています。
総合順位は111位ですが、各項目別には「経済活動への参加と機会/118位」、「教育/76位」、「健康と生存率/40位」、「政治への参加/103位」となています。小項目別では「所得格差」が75位から100位に急落。WEFが収入の比較方法を改め、主に先進国で過小評価していた所得の差を実態に近づくように修正し、順位に反映したため。米国も同じ要因で総合順位が28位から45位に下がった。ただ、購買力平価で比較した米国女性の平均所得は日本の女性より7割ほど多い。
全体の評価の低い原因として、日本は4項目では「経済と政治の分野における女性の進出」が著しく遅れていることになります…もう少し細かくは例えば、「国会議員における男女比率…122位、官民の高位職における女性比率…113位、女性の専門的技術的労働者の比率…101位」過去50年で女性の首相が出ていないことも、低評価の一因です。
■全体の順
全体の順位を見ると・・・
1位アイスランド、2位フィンランド、3位ノルウェーと北欧諸国が上位を占めています。近隣国では中国が99位、韓国が116位。G7ではドイツ13位、フランス17位、英国20位、カナダ35位、米国45位、イタリア50位。
WEFは世界全体の傾向として、教育や健康では男女の格差縮小が進んだのに対し、経済では改善のテンポが鈍っていると指摘。
今回調査のペースが続いたと想定すると、男女が経済的に平等になるには170年かかるという。
いかがでしょうか?男女格差は日本は根深いことがわかります。日本は労働人口の減少に対応すべき時期に来ていますが、北欧の社会システムをもっと積極的に学ぶ必要があります。また、基礎教育において、男女の性差や男女格差を解消するために、個々がどういう意識を持つ必要があるのかを学ぶ機会を増やすことが重要です。
同時に、社会人教育でもダイバーシティーといった大テーマでなく、もっと身近な問題として、『男女』の問題に対する意識を変えていくためのカリキュラムを増やすことも重要です。
国にとっても企業にとってもそういった活動が、「生産性の向上につながる」という信念を持つことです。これは21世紀のリーダーに求められる資質でもあると思います。少子化対策も、こういったところに打開策が隠れているのではないでしょうか?
※世界経済フォーラム・・・ 1971年にスイスの経済学者により設立された非営利財団です。世界の経営者や政治家、学者などがグローバルな問題について意見交換するという「ダボス会議」を主催していることでも有名。また、各国の経済の競争力を計る「世界競争力レポート」なども発表しています。