11月の風の便り
11月はグレゴリオ暦で年の第11の月に当たり、30日間と短い。日本の気象庁は、季節を表わす用語として、春は3〜5月、夏は6〜8月、秋は9〜11月、冬は12〜2月と公式に定めている。つまり11月は冬支度の月でもあるということになる。
とはいっても、豊かな時代には暖房設備も整っており、コンビニには、おでんが常設されある程度のものがあるので、「季節への備え」は衣服ぐらいのものだろう。
しかし、これほど長く平和が続くと、「備え」と言えば、リーマンショックなどの「経済危機」への備えを考えるくらいで、天変地異や戦争などの本当の有事の備えがどうしても、おろそかになりがちだ。
21歳の時に、スイス人の知り合いを訪ねて欧州に行った時の事。もう30年も前の話だが、自宅に招かれ案内された部屋は「機関銃のある核シェルター」だった。友人のマルコは「スイスではこれが標準装備。すでに85%の家庭にはシェルターは装備されている。」と平然と話す姿に驚いたことを覚えている。
スイスは永世中立国なため、国民には自衛のために兵役が義務化されている。その時に武器も与えられる。「攻めと守り」を備えてこそ、永世中立国が維持できるということを、そこで学んだ。これは島国の日本では想像しにくい状況だ。
冬が近づくと、自然と一定の緊張感は覚えるが、比べものにならない。日本人は「平和ボケ」にならないように、様々な国に旅するのがいいのかもしれない。リゾートで羽を伸ばすのもいいだろうが、たまには、(戦闘地域ではないが)それなりに緊張感のある国に立ち寄るのもいいかもしれない。
今月は米国よりトランプ大統領がアジアを歴訪する。無事に歴訪が終わり、静かな年末年始を迎えられることをまずは祈りたい。
また、年末年始の過ごし方が決まっていないなら、早めに予定を考えよう。そのほうが、費用的にも割安で手配可能なはずだ。