12月の風の便り

2017年も残り1カ月となりました。一年を振り返ると今年は、テロと北朝鮮問題の年だったのではと思います。日本にとっては北朝鮮問題が最大の威嚇だとは思いますが、2017年のミサイル発射実験を調べてみると

211日、36日、322日(打ち上げ直後失敗)、44日、16日、29日、514日、21日、29日、68日、74日、28日、826日、915日、1129日と実に15回も発射実験を繰り返しています。

 静かな年末をと思っていた矢先に、1129日早朝の実験です。大陸間弾道ミサイルのレベルはもうアメリカ大陸を完全に射程距離にしたようです。

 一方、海外ではテロが収まりません。2017年のテロ事件を上げてみたいと思います。

 20171トルコで銃乱射=新年祝うクラブでテロ-ISが犯行声明、フロリダの空港で銃乱射

20173英議会テロ、マレーシアで正男氏暗殺事件

20174ロシア地下鉄テロ、パリ・シャンゼリゼで銃撃テロ

20175世界規模のサイバー攻撃、英マンチェスターで自爆テロ、ジャカルタで自爆テロ

20176ロンドン橋でテロ、テヘランで同時テロ、ブリュッセル駅で爆弾テロ、パリ中心部でテロ

20178スペイン東部カタルーニャ自治州で車突入連続テロ

201710米ラスベガスで乱射、58人死亡

 以上のように、世界中でテロ事件が群発している状況です。

 これら一連の出来事の原因は、世界中に格差社会に対する不満が蔓延していることの現れかもしれません。思えば、2016年の英国のEU離脱、2017年はスペインのカタルーニア州の独立運動など、世界的な「分裂の波」が押し寄せています。かつてトマ・ピケティ氏が『21世紀の資本』で指摘していた、彼は書の中で3つのことを指摘していました。

1)世界中で所得と富の分配の不平等化が進んでいること。

2)その原因は(税引き後の)資本収益率(r)>経済成長率(g)にあること。

3)この世界的所得格差を是正するためにグローバル資産課税・累進課税を促進すべきであること。

今後も格差の拡大が止まらない限り、この「分裂の流れ」は収まらないでしょう。米国内でも不穏な動きがあると聞いています。人類の長い歴史の中で「貧富の差の拡大が文明を滅ぼした」記録は世界中に残されています。ですから、この問題は大変気になるところです。

北朝鮮問題も年内に新たな動きがあるとしたら、それは戦争の引き金になるかもしれません。それだけは、起こらない事を願うばかりです。

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