2月の風の便り

今日から2月で、中国の春節の時期であり例年であれば中国旅行客が世界中にあふれ経済効果も高く歓迎ムードのはずですが、今年は様相が異なります。中国・湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大で、まさにパンデミック状態の様相です。潜伏期間が2週間ある場合もあり、出国前は健康でも旅行先で発症する可能があるため、海外に飛散してしまう結果となっています。

春節は、中国における旧暦のお正月(旧正月)です。中国には春節、清明節、労働節、端午節、中秋節、国慶節と呼ばれる国民休日がありますが、その中でも大型連休の代表とされるのが春節です。春節は中国本土のほか、台湾、香港、シンガポール、韓国、ベトナム、マレーシアなどでも国の祝日として定められており、海外に暮らす中国人も「チャイニーズニューイヤー」としてお祝いをします。

今年の春節は124日(金)〜30日(木)の7連休でした。中国の春節は太陰太陽暦に基づいており、今年は125日(土)が春節で、124日(金)の大晦日から130日(木)までが春節連休と定められています。春節連休は故郷に帰省する人が多く、約30億人が移動する「春運」が毎年話題となりますが、最近では国内外へ旅行する人が増えるなど、連休の過ごし方は年々多様化しているようです。

■春節休暇期間延長へ

今回の騒動を受けて、中国国内では外出禁止令などが続いており、中国国務院は126日、春節(旧正月)の休暇期間を22日まで延長する(2月3日から通常どおり出勤)ことを発表したため、滞在先にとどまる中国人旅行客も多いと思います。国内感染者も増えてきており、二次感染、三次感染も増えると思われますので、さらなる注意が必要です。

■三回目の騒動

今回の騒動はコロナ系ウイルスでSRASMARSに続く3回目のものです。2003年のSARSのアウトブレイク時の罹患数は、世界保健機構 (WHO) の報告によると、香港を中心に8,096人が感染し、37ヶ国で774人が死亡したとされています。2012年のMERSは、20129月に中東で発生し、201911月末までに中東・欧州を中心に患者や輸入症例が報告された国は27カ国、感染者数は2,494人、死者は858人にのぼっています。今回の中国での新型コロナウィルスの感染者数は、これらを既に上回っており、史上最悪のコロナウィルスとなりそうです。

新型コロナウィルスのピークはこれからのようで、5月くらいまでは警戒が必要と報道されています。まずは自己予防として手洗い・うがいは欠かせません。何よりもアルコールでの消毒が有効とのことですが、マスクもアルコール消毒の商品がすでに品薄状態で、マスクは12個までしか購入できなくなっています。ネット社会ですので消費者行動が異常に早く極端な事が気になります。ネットニュースにはフェイクも多いため冷静に行動しましょう。

 一日も早い終息を祈るばかりです。

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