9月の風の便り
残暑厳しい夏でしたが、ようやく9月。秋を迎えようとしています。
アメリカの地元紙「サン・センチネル」で、NFLで殿堂入りを果たした名クォーターバックや名監督ら華麗なキャリアを過ごした様々なスポーツ界の偉人にアンケートを実施したそうです。
その質問とは「あなたのスポーツ人生で最高の1日とはどんな日?」
各界のレジェンドは「ドラフト会議の日、監督就任の日、NFL初先発で週間最優秀選手に選出された日」など、自分の記念日を挙げる中、マーリンズのイチロー外野手の回答は少し違います。
■イチローは?
メジャー最年長野手となった43歳はこう語った。
「僕が子供の頃のすべての日々ですね。一日毎に野球が上手くなっているんだという実感がありました。僕は毎日練習していましたね。3年生、4年生、5年生、本当に毎日試合で成長することをひたすら感じていました。あれは最高の感覚でした」
オリックスで数々の偉業を達成後、2001年のマリナーズ1年目にはMVPと新人王など多くの個人タイトルに輝き、メジャー16年目の昨年8月には史上30人目の3000安打という金字塔を打ち立てたイチロー。WBCでは日本代表を2度の優勝に導くなど、国際舞台での栄光も経験してきた背番号51だが、小学校時代の思い出を野球人生最高の1日に選んだ。
我々に見せてくれた感動のシーンではなく、そこに至る道のりの中に最高の一日があったというのは、すごい視点だ。
ストレッチなど入念なルーティンを守り、メジャー屈指のストイックさの持ち主として知られる求道者イチローは日々、様々な取り組みを続けている。毎日純粋に成長を実感できた子供時代こそが背番号51にとっては心の黄金時代なのかもしれない。
■あなたの人生最高の一日は?
もし同じ質問をされたら、あなたはどう答えるだろう?
素晴らしい成果を上げたあの瞬間だろうか?
優勝、表彰、結婚、子女誕生など・・・
そこに至るまでのプロセスだろうか?
一度人生を振り返ってみてほしい。輝かしい瞬間とはどのようなシーンだったか?
もし映画であれば、あなたの人生はどんな筋書きなのでろう?
どんなキャスティングがあって、舞台が成立しているのだろうか?
悪役も必要なはず。悪役に移っていたあの存在は本当はどうだったのだろうか?
間違いなく、あなたは「あなた」という映画の主人公なのだから。
そして、これからの映画の続きはあなた次第なのです。
どんなエンディングを迎えたいですか?
ようやく秋を迎えます。秋の夜長に一度考えてみるのもいいのではないでしょうか。